天然木のウッドデッキは基本的に屋外に設置するものなので、日中に強い日差しを受けたり、雨風を受けたりと過酷な環境下に晒されています。夏季と冬季では30度ほどの寒暖差があるため、天然木のウッドデッキは膨張したり伸縮したりを繰り返しているのです。そうした環境の影響を長期間受けているので、何もメンテナンスをしないで綺麗な状態を保つことはどうしても難しいといえます。今回は、天然木ウッドデッキのメンテナンスにフォーカスして、できるだけ長く綺麗に保つためのお手入れ方法を徹底解説。この記事を最後までご覧いただければ、天然木のウッドデッキを長期間綺麗にキープするヒントになると思いますので、是非、ご参考にしてください。
日ごろからできる基本的なお手入れ(天然木・人工木共通)

ウッドデッキには、天然木を使用したものと樹脂木の人工木の種類があります。人工木は木の粉と樹脂を混ぜ合わせた素材を指し、細かいメンテナンスが必要ないのが特徴のひとつ。天然木の場合は、自然の木の風合いや温もりを感じられるのが大きな魅力です。ただ、自然物である限り細かいメンテナンスはどうしても必要となってきます。また、天然木にも種類がありまして、大きく分けて下記の2種類です。
ハードウッド

ハードウッドは丈夫で耐久年数が長く、設置から20年以上の耐用年数があるともいわれています。害虫・腐朽の耐性に富み、薬剤処理も不要。木質が硬いので加工は難しく、ソフトウッドと比べるとコストは高くなります。経年により薄褐色から徐々に暗褐色となり、グレーに変化。着色も可能ですが、塗料の色乗りはあまり良くない傾向にあるでしょう。木の種類でいうと、サイプレス・ウリン・イベなどがハードウッドに分類されます。
ソフトウッド

ウエスタンレッドシダー・レッドウッド・SPFといった木に代表されるソフトウッドは、耐久性に関してはハードウッドに比べると弱く、ステイン塗料などで防虫防腐対策をする必要が。また、色あせ・ひび割れ・ささくれ・腐食などが発生しやすく、メンテナンスに注意が必要なのです。柔らかいので加工がしやすく、価格もハードウッドと比べるとリーズナブル。
まずはじめに、先述した天然木・人工木のウッドデッキ両方に関して、普段からできる共通のお手入れ方法をご紹介していきます。
デッキの板と板の間の砂やほこりを取る
簡単なお手入れとして、まずは、板と板の間に詰まった砂や埃を、小型ブラシなど先の細い掃除用具を使って取り除いていきましょう。こういった細かい砂や埃を放置していると木材の乾燥を促進してしまうことになり、砂や埃の中に含まれている腐朽菌が木を腐らせてしまう場合があります。もちろん、人工木においても、黒ずみや汚れの原因にもなりますので、定期的に木と木の間の砂や埃は取り除くお手入れを心がけることが大切です。
季節ごとに水洗いする

ウッドデッキの汚れを放置すると汚れや菌が木材の内部まで染み込んでしまう可能性が高まります。気になる汚れは季節ごとなど定期的に雑巾がけや水洗いすることがウッドデッキを長持ちさせるポイントのひとつです。また、下記で詳しくお話ししますが、コケのようなものがジメジメした部分に生えてきてしまったりなど簡単なメンテナンスでは落ちにくい汚れが付いてしまった場合には、高圧洗浄機や紙やすり、デッキブラシなどを使って落としましょう。
本格的な天然木ウッドデッキのお手入れ

砂や埃、靴あと、雨染みの汚れなど、普段の暮らしの中で発生する通常の汚れに対しては、先述したような掃き掃除や水洗いを定期的なメンテナンスをしていただくだけでも充分に解消されます。ここからは、天然木ウッドデッキにおいて、普段のメンテナンスでは落としきれないような汚れに対しての本格的なお手入れについてみていきましょう。汚れの程度や種類によって下記の方法を参考にしていただけましたら幸いです。
広範囲に渡る汚れに対するお手入れ

ウッドデッキに広範囲で広がる汚れが付いてしまった場合には、高圧洗浄機を使ったお手入れをおすすめします。高圧洗浄のお手入れは、広範囲に渡る汚れや普段のメンテナンスでは取れにくい汚れに有効です。ただ一方で、高圧洗浄機は圧力が強いので頻繁に使ってしまうと、逆に木材自体を傷つけてしまうことになるので注意が必要です。使用頻度としては、年に2~3回高圧洗浄機を使いましょう。デッキ木材の板目に沿って噴射してください。
珈琲や油汚れカビによる黒い斑点に対するお手入れ

油染み汚れやカビによる黒い斑点のような汚れが付いてしまった際には、デッキブラシを使ってこすり落とします。この時、台所洗剤や木材用洗剤、カビに対しては、次亜塩素酸系漂白剤などの洗剤を使われる方もいるのではないでしょうか。洗剤としては、強酸、強アルカリ、シンナーやベンゼンなど有機溶剤、石油類が含まれるものは木材を傷める原因にもなりますので使用しないように注意が必要です。カビを取る漂白剤は完全に洗い流すように水洗いを徹底しましょう。
取れない汚れ・傷や焦げ跡・マジックでの落書きに対するお手入れ

作業やバーベキューなどで火の粉が飛んで焦げてしまった場合や、木材の傷、マジックペンでの落書きなど中々取れない汚れに対しては、サンドペーパー(紙ヤスリ)で汚れや傷の部分をこすり綺麗に整えるようにお手入れをしてください。
天然木ウッドデッキ保護塗装の塗り替え

天然木ウッドデッキにおいては、保護塗装の塗り替えは避けては通れない大変なお手入れ。常時、保護塗料で木材の表面を覆うことで、天然木ウッドデッキの耐久性が増し、木材の腐食を大幅に遅らせることができます。そのため、保護塗料の塗り替えをすることは天然木ウッドデッキを長持ちさせるために必要な作業といます。
忙しくてお時間がない方は、専門の業者に依頼をするのもひとつの方法です。天然木ウッドデッキを綺麗に長く保つためにも正しい方法でお手入れをしていきましょう。
天然木ウッドデッキ保護塗装のタイミング
一般的に、天然木ウッドデッキの保護塗装の塗り直し時期の目安は1年~2年ほどとされています。ただ、お住いの気候や環境によって木材の傷み具合・早さにも幅がありますので、自分にとってベストな塗り替えタイミングを見極めることが大切です。塗り替え時期を見極めるポイントとしては、木材の地肌である“木地”が表面に現れてきたタイミングが目印となります。
保護塗料の選び方
保護塗料には主に「油性」と「水性」があります。前回の塗料が水性であれば、同じ水性のものを選ぶようにしましょう。基本的には前回と同じ塗料を使って塗り直しをすれば問題ないと思います。理由としては、水と油は相反する成分なので、水性塗料の上から油性塗料を塗っても弾いてしまうからです。ただ、前回と同じ塗料でも、木材がひどく剥げてしまっているのであれば、前回の塗料の影響は受けないので、別の塗料を使っても構いません。また、もう一つの注意点としては、天然ウッドデッキにニスやペンキは絶対に塗らないでください。デッキの表面に膜ができてしまい、木が呼吸できなくなってしまいます。
オイルステン塗料がおすすめ
塗料としておすすめなのが「オイルステン」です。オイルステンは木材の表面に皮膜ができずに、浸透していく性質があり、木が充分に呼吸ができる塗料として注目されています。
天然木ウッドデッキ保護塗料の塗り替えの手順や下準備
天候を考慮する
天然木ウッドデッキの保護塗料の塗り替え作業は時間と手間がかかるため、作業の2~3日の天候を考慮しましょう。作業当日から3日ほど晴れ間が続く日を選ぶのがベストです。
準備する道具
塗装作業に必要な道具としては、「電動サンダー」、「はけ/パレット」、「塗料」が基本的なものとなります。
下準備

塗装を始める前に、まずは電動サンダーでウッドデッキの表面をならし、その後に水洗いをしてください。水洗いを終えた後は、ウッドデッキを充分に乾燥させます。乾燥させた際には、ウッドデッキの表面にゴミやホコリが落ちていないかも確認してください。
塗装作業

下準備が終わったら、いよいよ塗り替え作業です。塗料をよくかき混ぜて、全体的にハケで薄く塗っていきます。ムラがでないように丁寧に塗り進めていきましょう。2度ほど重ね塗りをすることで、グレーに退色してしまっていたウッドデッキが、新品のような美しい木の色を取り戻すことができるのです。
塗装後は、丸一日はしっかりと乾燥させます。その後しばらくの間は、裸足でウッドデッキを歩くなど、ウッドデッキ自体の利用は控えるようにしてください。
まとめ
今回の記事では、天然木ウッドデッキのお手入れについてお話してきました。天然木ウッドデッキを綺麗な状態で長く保つためには、やはり普段からこまめなメンテナンスが必要です。せっかく憧れの天然木ウッドデッキを設置したのであれば、長く綺麗な状態で保ちたいですよね。また、人工木のウッドデッキであれば、それほど細目で定期的なお手入れの必要はありませんが、天然木ならではの自然の温もりを感じられるウッドテラスはとても魅力的であると感じます。これまで見てきたお手入れ方法を参考にして、天然木ウッドデッキの利用をお楽しみいただけましたら幸いです。